ヒゲと聞いて、真っ先にくちヒゲをイメージする方は多いのではないでしょうか。
あごヒゲの次に伸びやすく自由にデザインできる反面、顔の中央にあり視線が集中するため、その人の印象を決定づける重要なパーツでもあります。
そのため、あごヒゲよりも難度が高く上級者向けと言えるでしょう。
ここでは口ヒゲの特徴や種類について、さらにデザインや手入れの方法を紹介していきます。
口ヒゲとは?

口ヒゲとは、顔面に生える毛のうち上唇の真上に生える毛を指します。
中でも、顎や頬のヒゲを剃っておきつつ上唇の上のヒゲだけ伸ばしている場合に、この名称で呼ばれることが多いです。
英語でムスタッシュ(mustache)と呼ばれ、ヨーロッパやイスラム圏の男性では定番のスタイルとなっています。
歴史は古く、ロシア国内のヨーロッパにほど近いウラル山脈における古墳から出土した、紀元前300年頃のスキタイ人の騎馬像には既に口ヒゲが蓄えられていました。
1〜3世紀頃にパキスタンのガンダーラで作られたとされるガンダーラ仏からは、頭髪を束ねて口元には口ヒゲが確認できます。
近代になると、ヨーロッパ諸国など広域の軍人に好まれており、部隊や階級によってさまざまなデザインの口ひげが見られました。
若い新兵は小さな口ヒゲですが、階級が昇進するごとに分厚いひげを蓄えることから、整った口ヒゲから高貴なイメージが連想されるようになったのでしょう。
ちなみに、男性のヒゲが生え始めるのは思春期の頃であり、その最初のヒゲの始点となるのもこの口ヒゲである傾向が強いです。
上唇の両端から生え始め、徐々に上唇全体に広がるという順序が一般的とされています。
口ヒゲの種類
数ある口ひげの種類の中で最も強く印象に残るデザインとして、両端が跳ね上がった八の字の形状の「カイゼルひげ」が挙げられるでしょう。
19世紀にドイツの皇帝として君臨した、ヴィルヘルム2世が蓄えていたひげが由来です。カイゼルひげに特徴的なスタイルとして、「どじょうひげ」もあります。
名前の通りどじょうのように薄く長く伸びたひげのことで、口の両端からひょろりと伸びているのが特徴です。
また、カイゼルひげほど目立たないにしても「ちょびひげ」も印象的なスタイルでしょう。
口ひげの長さを鼻の横幅とほぼ同じになるように剃ったスタイルで、世界的な喜劇俳優がこのスタイルであったことから、高貴でありつつ少しコミカルなイメージも持たれています。
この他、幅の狭いひげを上唇の中央から左右に伸ばしてやや跳ね上げる「イングリッシュ」や、世界的な芸術家の名前からそのまま取った「ダリ」、分厚く密生した状態で大胆に伸ばす「ハンガリアン」などがあります。
口ヒゲの手入れ(整え方)
ひげのデザインを整えるには、色の調整は欠かせません。
基本的にはひげを長くすれば色味が濃くなり、短くすれば薄くなります。口ひげが浮いたり、逆に埋もれてしまわないためには眉毛の色と合わせながら調整すると良いでしょう。
口ひげの手入れにはカミソリもしくはトリマー、ハサミとコーム、シェービングフォームの4つが必要です。
シェービングフォームの代わりに、ジェルや石鹸でも構いません。
長いひげを整える場合、まずはひげのカットから行います。コームでひげを整えながら、ハサミでカットしていくイメージです。
アウトラインが決まれば、次は不要なひげをシェービングで落としていきます。
剃り方に関しては普通のひげ剃りと変わりませんが、カットの際は乾いた硬い状態の方が扱いやすいということを覚えておいてください。
ちなみに、肌荒れの原因となるため、ひげを毛抜きで抜く行為は厳禁です。

普段のひげ剃りと同様、シェービングの際は蒸しタオルなどで皮膚やひげを柔らかくしてから行いましょう。
口ひげは顔の中心にくるため、メガネと同様にその人の見た目の印象をガラリと変えることができるアイテムです。
クラシカルなスタイルから、顎ひげと組み合わせたモダンなテイストまで幅広く楽しめます。
おしゃれに楽しむポイントとして、コームとハサミで口ひげを整えること、頬など余分な箇所をシェービングして清潔感を保つことが大切です。
おわりに
今回は、ヒゲの一種である口ひげについて簡単に解説してみました。
当サイトでは、髭に関する基礎知識や脱毛・抑毛に関する情報を発信しています。
興味がある方は、ぜひ以下の記事にも目を通してみてくださいね。


